息子が3歳になり、今年は質問攻めの一年でした。
年末になり、買い物中などにお正月飾りを目にする機会も増えてきたのですが、見慣れない&目立つ位置に配置されたお正月飾りに案の定、質問の嵐です。
たくさんのなんで?に聞かれても上手く答えられないことも多くありました。来年4歳になるともっと知恵がつき、具体的な質問が出るかも知れません。
そんな子どもの質問に答えるために、お正月飾りについて調べてそみようと思いました。
そしてお正月の文化を子どもに伝えるためには家にもきちんとしたお正月飾りが必要だと思ったのですが…。
もそも正月飾りって何のために飾るの?何をいつ飾れば良いの?飾ったあとはどうすれば良いの?最低限必要な物は?など私もわからないことばかりでした。
今回こちらの記事ではそんな疑問を解消するために本などで調べたお正月飾りについての情報をまとめてみました。
正月飾りの意味を知ると、その意味に沿った物を選びたいと思うようになり、正月飾りの選び方についても私なりに考えるようになりましたので、そちらについてもまとめています。
しかしお正月飾りやお正月の風習は地域によって違うようですので、お住まいの地域によってはこちらの記事の内容と合わない場合があります。
地域の風習に関してはぜひお近くにお住まいの方に確認されてみてください。
お正月飾りの処分方法や飾る時期については
「正月飾りはいつからいつまで飾る日は仏滅でもいい?処分方法は神社や自宅で!」
の記事をご覧になってください。
お正月になぜ飾りをするの?
お正月飾りを飾って「正月様をお迎えする」と聞いたことがあるけれど、正月様ってどんな神様なのでしょうか。調べてみました。
正月飾りでお迎えする神様「正月様」とは?
お正月には「正月様」「年(歳)神様」「年(歳)徳神」とも呼ばれる神様をお迎えして、一年の幸福を授けていただきます。
正月様は田の神や家の先祖神とされています。「お正月がござった」というわらべ歌では“羊歯(シダ)を蓑に着て つるの葉を笠に着て 門杭(かどっくい)を杖について”という姿で歌われています。
正月飾りの種類と意味一覧・飾り方
お正月に家に飾る飾りはそのとし一年の豊作や幸福を授けてくれる「正月様」をお迎えするための準備なのだということがわかりました。
正月飾りは、神様をお迎えするために必要なものとして、神様の依代(よりしろ)となるもの、神様にお供えする物があります。
そしてそれ以外にも豊作や幸福を願う縁起ものの飾りや装飾を兼ねた室礼というものもあるようです。
では、こちらでは飾りそれぞれにどんな意味や役割があるのかを1つずつ見ていきましょう。
門松・松飾り
お正月の歌にも門松が出てきますが、実際門松を立てているのは官公庁やデパート、大きな病院などで一般家庭ではなかなか見ないですよね。
ない家が多いなら、門松って要らないのでしょうか?門松の意味と一般家庭ではどうしたらいいのかを調べてみました。
意味
門松は正月様が最初に降りてこられる依代としての役割があります。
本来門松は松を一本、門(かど、昔は庭の干し場を表した)に立てたことが始まりで鎌倉時代に松と竹を使用するようになり、江戸時代以降戸口の両側に飾るようになったといわれています。
門松というと連想される、三本の竹に松を添えた飾りは江戸城に由来する物です。
小ぶりな物から本格的なものまであるようですが、なんとネットでも本格的な門松が販売されていました。
神様の依代なら、門松がないと困りますよね。しかし昔は松だけだったようですし、今も神様は門松の竹ではなく松に降りて来られるようですので、門松は“松”が大事ということですね。
作法・飾り方
旧暦12月13日に家の主人が山から松の枝を採る「松迎え」をして作り、正月6日には片付けるのが正式です。
門松の置き方としては、外から見て左に雄松、右に雌松をおくようにします。
松飾り
門松というと連想される、三本の竹に松を添えた飾りは江戸城に由来する物でした。江戸城に置いてあったような立派なものを一般家庭で置くことは値段や置き場所の点からしても難しいですよね。
ご家庭では門松の代わりに松飾りを用意するのが一般的です。
松飾りは関西では松の枝を半紙で巻き金銀水引で結んだもの、関東では松の枝に輪飾りをつけたものが多く用いられるようです。
それらを戸口の両側に取り付けます。
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鏡餅
「お供え」「お重ね」などとも呼ばれます。
意味
餅を丸くするのには人の魂や心臓のかたちをかたどっているためといわれています。
鏡餅の名前の由来は古来の銅鏡のように丸いことから、また鏡が神聖という意味を持つことから鏡餅と呼ばれるようになったという説があります。
大小2つの餅を重ねる意味は陰と陽を重ねることや、福を重ねるという意味があります。
様々な意味を持った鏡餅を三方に載せ、飾りと一緒に年神様にお供えし、鏡開きでそれを割り、いただくことで新しい生命力をいただくことが出来ると言われています。
古くは正月三が日に歯を固め長寿を願う歯固めにも用いられたようです。
作法・飾り方
床の間、神棚、仏壇に飾ります。三方とよばれる木の台(最近では100円ショップでも売っていました。)の上に半紙、昆布、裏白、譲葉、餅(大・小)を載せます。そして橙、紙垂、伊勢エビ、干し柿、飾り扇を飾ります。
鏡餅の飾りの意味や説明
三方・三宝(さんぽう):神仏へのお供え物や身分の高い人への献上物をのせる台。台の三方に穴があいていることから三方とよばれています。三方が手に入らないという場合はお盆や一升枡で代用することもあるようです。
四方紅(しほうべに):四方を紅で縁取った和紙、天地四方を守り災いを払い、繁栄を願う意味があります。四方紅が手に入らない場合は半紙等白い紙を使います。
裏白(うらじろ):裏の白いシダ類の葉。裏の白い方を出して飾ります。裏が白いことから後ろ暗さがないという潔さ、白髪になるまでの長寿を表します。二枚の葉が向かい合って茎につくことから夫婦の相性の良さも表しています。
譲葉(ゆずりは):新しい葉が開くと古い葉が垂れ下がってゆずる形になることから「ユズリハ」「親子草」と呼ばれます。のちの世代まで長く福を譲る意味があります。
橙(だいだい):一度実がなると4~5年は落果しないことからめでたい果樹とされています。また、家系が代々反映するようにという意味も込められていまうs。
昆布(こぶ):喜ぶのこぶから。また和名の「ひろめ」から家運がひろがるようにという願いが込められています。
干し柿:幸福をしっかり取り込みます。
ほんだわら:玉藻。豊作を願って願って飾ります。3メートルの長さにも達することから縁起がいいともされています。
伊勢エビ:腰が曲がるほど長寿を願っています。
四手・紙垂(シテ・シデ):稲穂の垂れ下がった姿をかたどった物・落雷をかたどった物、男女二人の手の形をかたどった物ともいわれています。邪悪なものを追い払ったり仲睦まじい夫婦の様子を表したりと説は様々です。
また、飾り扇、根小松、水引を用いたりすることもあるようです。
鏡餅の飾り方は地方によってだいぶ違いがあるようですが、三宝、四方紅(半紙)、裏白、橙(青い葉のついたミカン)のあたりは共通していることが多いようです。
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注連縄・七五三縄・しめなわ
神様を祭る神聖な場所であるということを表します。「しめ」には封ずるという意味があり、神様のいる区域であることを表します。不浄な物を寄せ付けないようにします。
神棚や門口に飾ります。
しめ縄を飾る場合は、向かって右側に太い方が来るようにします。
神棚は等間隔に4箇所、紙垂を下げます。紙垂は上端を折り折り目を外に向けます。神棚のお札の置き方は中央に伊勢神宮のお札、右に氏神様、左にその他のお札を置きます。
しめ飾り(注連飾り)
しめ縄で作ったお飾りです。注連飾りの種類として、玉飾りや輪飾りがあります。
注連飾りはその年に刈った稲からとった新藁を使用します。(市販のしめ飾りに使用している青い藁は専用に栽培し、稲穂が実る前の稲を刈って乾燥している物が多いようです。)
玉飾り
玄関へ飾ります。しめ縄を輪にしたものに藁を垂らし、中央に縁起物を飾ったものです。鏡餅の説明で出てきた、「ウラジロ」「ゆずり葉」「だいだい」「シテ」などを飾ります。
輪飾り
別名「輪じめ」藁を輪にしてむずび、余った部分を長く垂らします。「ゆずり葉」「ウラジロ」シテを下げます。
小型のしめ縄の枠割りがあります。水場など、家中のあちこちの場所や道具に飾り清めます。火の神様の入り口であるかまど(現代では台所)水の神様の入り口である井戸(現代では水道)などに飾ります。
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正月飾りの選び方
門松は“松”が大事。門松がなくても松飾りを飾れば依代としての役割を担ってくれます。
鏡餅は
神様は白を目印にやってくる
ウラジロは裏が白くなっているシダですし、シテも白い物が多いです。(紅白もありますがこちらも白が入っていますね。)
地方によっては歳神様の案内のために白砂を蒔いたり、割木の白い方を向けて飾る地方もまり、「白」を大事にする場合が多いようです。
最近ではモダンな正月飾りも増えていて、黒系の色でまとめたシックな正月飾りもあるようですが、そういったものはあくまでインテリアとして使用し、歳神様の目印としての意味で使う飾りは白い色のものを選ばれるのがいいのではないでしょうか。
値段よりも気持ちを大切に
高級なものを目指せばいくらでもあるでしょうが、100円ショップでも購入できる時代です。ムリして高価な物を買うよりは、手の届く範囲で購入し、歳神様をおもてなしするために心を込められるのがいいかと思います。
1つ1つの飾りの意味を理解されて、意味に沿った飾りをされれば、歳神様も案内にしたがってスムーズいらっしゃれるのではないでしょうか。
どこに売ってるの?お正月飾りに必要なもの購入先
年末になるとスーパーやホームセンター、100円ショップにまでお正月飾りが並びますが、手作りをしたい場合や、鏡餅やしめ飾りは売っていても松飾りって見なかったりしませんか?
松は生木ですのでなかなか一緒に並べることが出来ないのかもしれませんね。そんな松飾りに必要なものを中心に購入先を調べてみました。
松
松が神様の目印なら、松を用意しなくては!と思うのですが、松ってありこちで見ますが自宅にでも生えていない限り、枝を折っていただくって難しいですよね。
昔は家長や年男が山に入って採ってきたようですが、現代では花屋さんに売っていますので簡単に購入できます。
くれぐれもお祖父さまの盆栽から失敬なさらないようにお願いします!
ネットで松を購入することも出来るようです。
ウラジロ
松と同じように男性が山に入り採ってくるのが良いようですが、私と同じように、うち、山がない!という方もいらっしゃると思います。そういった場合は、こちらも同じように花屋さんで置いてあることが多いようです。
ウラジロはネットではブリザーブドフラワーや、造花の物を取り扱っているようです。
輪飾り
輪飾りを使用する場合はスーパーなどのお正月飾りのコーナーで購入出来る場合がありますので松にそちらをつけると良いでしょう。(関東在住の私の場合は大抵のスーパーの正月飾りコーナーで発見出来ます。)
その他半紙や水引
半紙や水引はホームセンターや100円ショップで購入出来ます。
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正月飾りで最低限必要なものは?
最低限必要な物、それは神様の依代である「松飾り」神様にお供えする「鏡餅」清めた場所であるという印の「しめ飾り」の3つのようです。
「松飾り」は地方によって形も違うようですが、松の枝に半紙を蒔いて水引で結ぶ形が簡単なようです。半紙や水引は100円ショップで購入できます。
「しめ飾り」は玄関と神棚がある場合はそちらにもします。
「鏡餅」は飾りを厳選して、三方(またはお盆)の上にウラジロと四方紅を載せその上に鏡餅、葉のついたみかんを載せます。ウラジロや四方紅が用意出来ない場合は白い紙の上に鏡餅を乗せるのがいいかと思います。
三方は最近では100円ショップ(ザ・ダイソーさん)で売っているのをみました。
鏡餅の置物もあるようですが、お供えの意味だけでなく、食べることで神様の新しい力をいただけるのなら、食べられる餅が一番ではないでしょうか。
最近では手軽にカップに入った鏡餅が300円前後で売っていますのでそれを利用されるのも1つの手です。
まとめ
正月飾りは、歳神様をお迎えするために必要なものとして、それぞれ意味があることがわかりました。
神様の依代(よりしろ)となるものとして「松飾り」清めた場所であるという印の「しめ飾り」
神様にお供えする物として「鏡餅」鏡餅の他におせち料理も同じような意味があるようですよ。
そしてこちらでは深くは触れませんでしたが、それ以外にも豊作や幸福を願う縁起ものの飾りや装飾を兼ねた室礼としての正月飾りも多くあります。
木の枝に紅白のお団子をつけた「餅花(繭玉)」床の間をにめでたい掛け軸や、のし三方を置く「床飾り」、ご自身で商売をされている方には「熊手」など、がそれにあたるようです。
様々な飾りがありますが、神様をお迎えするためには少なくとも、松飾りと玄関へのしめ飾り(神棚をお持ちの方は神棚にも)鏡餅を準備されるといいですね。
正月飾りを選ばれるときは意味を理解すれば、選び方も自然と見えてきますね。
松飾りは、門松にこだわらなくとも、松を使用した物を使用することでした。
鏡餅は歳神様へのお供えですので一番お餅が大事です。鏡開きにはぜひお餅をいただいて神様から力を授かりたいものです。
しめ飾りは神棚のある方は神棚へ、あとは玄関に白を基調としたものを飾り、歳神様をお迎えする準備が出来ますね。
紙で出来たシックなお正月リースも素敵ですが、そちらはお正月のインテリアとして室内に飾られて、玄関のしめ飾りは別に用意する、などとされるとお正月の神様もお喜びになるかもしれません。
今回調べて、お正月飾りの意味を知ルことが出来とても勉強になりました。この記事がお正月についてお子さんとお話されるときのお役に立てたら嬉しいです。
お正月の絵本について「お正月の絵本2歳3歳におすすめ!年末年始の文化を伝えるコツも!」
という記事もありますのでそちらもぜひご覧になってください。楽しみながらお正月への理解が深まりますよ。
飾りの意味が分かり、用意したなら次は飾る日について疑問が沸いてきますね!飾る日や処分方法についてはこちらの記事をご覧ください!
いよいよ年末、お正月まであと少し、皆様のお正月準備がはかどり、良い年をお迎えになれますように。