小さな子供に行事を伝えようと思ったとき、言葉だけではどう伝えていいのか考えてしまいませんか?私はつい説明が長くなってしまって途中で子供は飽きてしまいます。しかも理解したのかどうなのかよく分からない…。
そんなときにも絵本はとてもお役立ちで、行事の由来や何をするかを分かりやすい物語に絵付きで説明してくれます。そんないつもの日常“ケの日”と違った、“ハレの日”を親子で楽しむお手伝いをしてくれる、年末年始の絵本たちをまとめてみました!
説明を聞いて、経験して、毎年少しずつ習得していくものだと思いますので、絵本を読むだけではなく、絵本を通してお子さんに文化を伝えるコツも紹介しています。
各絵本には文化を伝えるお役立ち度を5段階の☆で表しています。より詳しく文化を伝える内容の物ほど☆を多く設定していますので参考にしてくださると嬉しいです。
※絵本の情報は変更されている場合があります。
目次
「十二支のはじまり」岩崎 京子 二俣 英五郎
教育画劇 1997年 本体価格1200円+税 ISBN:9784774604091
文化を伝えるお役立ち度☆☆☆☆☆
あらすじ
神様はお正月の朝御殿にくるようにと動物たちに話をしました。うっかり日にちを忘れてしまった猫がネズミに訪ねると…?
十二支の順番はどうやって決まったのか、なぜこの動物たちなのか、猫がネズミを追う理由は?が描かれた絵本です。
感想&お正月の文化を伝えるポイント
十二支のはじまりのお話の絵本はたくさん出ていますが、中でもこちらは一番わかりやすくシンプルなのではないでしょうか。
お話も絵もわかりやすく、お子さんに初めて十二支のはじまりのお話を読んであげたいと思ったときに絵本選びに迷ったらこちらをオススメします。
猫に嘘をついてしまったねずみもそんない悪く描かれていませんので安心して読むことが出来ます。
「十二支のはじまり」やまち かずひろ作 荒井 良二絵
小学館 2006年 本体価格1000円+税 ISBN:9784097278856
文化を伝えるお役立ち度☆☆☆
あらすじ
神様が新年に動物たちをお食事会に招待しました。12番目までに来た動物にごほうびが出ると聞いて、ねずみが仲良しの猫についた嘘とは…?
十二支にはどんな動物がいて、なぜあの順番になったのか?なぜ猫はよく顔を洗い、ネズミをおいかけるのか?が現代風に描かれています。
感想&お正月の文化を伝えるポイント
十二支に興味を持ったお子さんには十二支のはじまりの絵本を読むのがぴったり。十二支のはじまりの絵本はたくさんありますが、こちらはちょっぴり個性派の絵本で荒井良二さん独特の絵が目を引きます。
十二支のはじまりの絵本を読むとき一番気にするのが、子(ね)年のお子さんへ読むときではないでしょうか。自分の干支が悪者として描かれている絵本を読み聞かせても大丈夫?と考えたとき、この絵本なら、そんな心配も少なくすむでしょう。
ネズミが猫に嘘をついてしまった理由も「ねこくんに まけると くやしいから」というかわいいものですし、最後には嘘をついてしまったことを後悔しています。猫も嘘をつかれたことを怒っていません。
牛の背中に乗ったのも偶然で、ずるしようとした訳ではなく、牛もネズミが一番になったことを了承しています。最後は猫とネズミは「だいじょうぶ きっと そのうち、なかなおりが できますから。」と締めくくっています。
ことばもやさしく、かみ砕いて書かれていますので、小さなお子さんにも読みやすい絵本です。
読み終わったあとは家族の誰が何年か、話し合うと楽しいですね。
「十二支のおもちつき」すとう あさえ 作 早川 純子 絵
童心社 2016年 本体価格1200円+税 ISBN:978449400783
文化を伝えるお役立ち度☆☆☆☆
あらすじ
お餅つきを前日に控えたおじいさんおばあさん の家へお腹を空かせたねずみがやってきます。ねずみにもち米を分けてあげたところ、お餅つきにたくさんの助っ人がやってきて…。
感想&お正月の文化を伝えるポイント!
可愛らしいイラストで、読みやすく、子どもも楽しみやすい絵本です。
お正月の準備で鏡餅を作るということ。もち米を杵と臼でついておもちを作るいうこと。大人は知っているけど、小さな子どもには発見だらけで、うちの3歳の息子は餅つきシーンを指差して「これ何?」と質問だらけでした。
なかなか餅つきを日常で見ることは少ないですから、お餅ってこうやって作るんだよって話す機会になりますね。
家庭で杵と臼を用意して餅つきから体験するのはなかなか難しいですので、市販の切り餅を使ってレンジで簡単に鏡餅を作って見るのも楽しいですよ!
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「しょうがつが くると」川崎 洋 作 沢田 としき 作
すずき出版 2012年 本体価格1200円+税 ISBN:97847902525289784790252528
文化を伝えるお役立ち度☆
あらすじ
正月がくると、山の運動会がはじまります。風が吹くと、影絵遊びができます。どうしてでしょうか?この絵本ではその間の出来事が描かれています。
感想&お正月の文化を伝えるポイント!
お正月が出てくるのは最初だけですが、外に出られないような時にこの絵本を読めば、なんだか壮大な物事のつながりに思いを馳せ、妄想することができます。
お子さんと一緒に身近な出来事について、この絵本のように連想していくのも想像力を膨らませる遊びとして楽しいですね。
晴れた日にはぜひこの絵本のように、たこあげをして、山の運動会をひらくきっかけを作ってあげてくださいね。
「おもちのきもち」かがくい ひろし
講談社 2005年 本体価格1500円+税 ISBN:9784061323230
文化を伝えるお役立ち度☆☆☆
あらすじ
蒸されて、叩かれて、のされて、ちぎられて、きな粉や納豆をかけられて食べられてしまう…。そんなおもちの気持ち、考えたことありますか?
この絵本ではきょうだいたちが人間においしく食べられるさまを見た、鏡餅が大脱走をするお話です。
最後にとんでもない形に変形してしまった鏡餅。村人たちが、なぜあんな形になってしまったのかと悩んでいますが、絵本を読めばその秘密がわかりますよ。
感想&お正月の文化を伝えるポイント!
おもしろおかしく描かれた、おもちの気持ちにおもわず笑ってしまします。
これを読んだあとは、せび一緒におもちを食べましょう!ちょっとかわいそうなんて思うかも知れませんが、おもちだって自分をたべちゃうんですから、おいしいに決まっています。
小さなお子さんにお餅を与えるときは、喉に詰まらせることのないよう少量ずつ細かくちぎって必ず大人がそばで様子をみて与えるようにしましょう!
お子さんと一緒にお餅になにをかけようか?と考えたり鏡餅を作ってお正月の準備を楽しみたいですね。
「おせちのおしょうがつ」ねぎし れいこ作 吉田 朋子絵
世界文化社 2007年(ワンダーおはなし絵本)本体価格900円+税 ISBN:9784418078127
文化を伝えるお役立ち度☆☆☆☆☆
あらすじ
おせち料理がみんなで かがみもちの家に行くおはなしです。数の子の運転するお重の車におせちの具材たちが自己紹介をしながら1つずつ乗り込みます。
途中問題もおきますが、みんなで助け合って無事かがみもちの家へ到着すると、みんなでお正月の伝統あそびを楽しむという物語です。
感想&お正月の文化を伝えるポイント!
お重の車に乗り込み自己紹介をするときに、自分の名前とその由来や意味を説明してくれるので楽しみながらおせちについての知識が深まります。
お正月の伝統遊びをする場面では、「この遊びは何?」と2,3歳のお子さんのしつもん責めに合うことでしょう!
「ホネホネさんのおしょうがつ」にしむら あつこ
福音館書店 2011年 本体価格800円+税 ISBN:
文化を伝えるお役立ち度☆☆☆
ゆうびんやさんのホネホネさん (こどものとも絵本) [ にしむらあつこ ] 価格:972円 |
あらすじ
ゆうびんやさんのホネホネさんは元旦から年賀状を届けます。いつもの自転車にリヤカーをつけてたくさんの年賀状を届けています。「ゆうびんやさんおホネホネさん」でもおなじみのメンバーに今日は年賀状のお届けです。最後にはガールフレンドだったホネ子さんと気づいた家庭も垣間見えます。あたらしく引っ越してきたメンバーも登場します。
感想&お正月の文化を伝えるポイント!
お正月は年賀状を出し合い、その年賀状を郵便屋さんが届けてくれるという大人にとってはもはや当たり前となっていることを物語で伝えてくれるので自然に親しめますね。
ぜひ年賀状作りも一緒にやりたいですね。
「しめかざり」森 須磨子
福音館書店 2010年(たくさんのふしぎ傑作集)本体価格1300円+税 ISBN:9784834025941
文化を伝えるお役立ち度☆☆☆☆☆
本来小学生向けですので、絵本に読み慣れたお子さん向けです。
あらすじ
お正月に飾る注連飾り(しめかざり)についての絵本。作り方を原料である稲から説明したり、その込められた意味、作り手の気持ち、注連飾りを飾る場所まで説明されています。
感想&お正月の文化を伝えるポイント!
ちょっと難しい絵本ですが、しめかざりのことを紹介している絵本はなかなかありませんので、興味をもったお子様にはぜひ読み聞かせしたいものです。
地方によって形の違う注連飾りが紹介されており、子供だけでなく大人も思わず「へえ~」といってしまいたくなる絵本です。
しめかざりの絵本を読んだ後はぜひお住いの地域のしめかざりを紹介されてください。今まで何気なく飾っていた注連飾りを身近に思い、大切にし、日本の文化や伝統を守る心を育てることにつながる絵本でしょう。
一緒に大掃除をしてから、しめかざりを飾りたいですね。手作りしめかざりを作るのもオススメです!
番外編
絵本ではありませんが、絵本と合わせて年末年始の文化を説明するためには図鑑もオススメです。お子さんに説明を求められて困ったときにも、図鑑が一冊あれば「一緒に読んで調べてみよう!」と提案することができます。
「きせつの図鑑」 長谷川 康男監修
小学館 2007年 本体価格2800円+税 ISBN:9784092131811
文化を伝えるお役立ち度☆☆☆☆☆
この本の説明
春夏秋冬の季節ごとに、行事と暮らし、歌、言葉、色、自然について書かれています。「あそぼう」「そだてよう・かってみよう」「つくって たべよう」のコーナーでは季節ごとにできる体験のヒントが載っています。
感想&お正月の文化を伝えるポイント!
年末年始やお正月の行事の説明、この時期に目にする様々な物の名称やその意味、お正月の遊びも紹介されています。
こたつでみかんも良いですが、せっかくですので外へ出て、お正月の遊びをお子さんと一緒にやってみるのはいかがでしょうか?お子さんに良いところを見せたいですね!
まとめ
いかがでしたか?お正月の文化を伝えることが出来る絵本をまとめてみました!
合わせてお子さんと一緒に出来るお正月の準備をまとめた記事も投稿予定ですので、読んでくださると嬉しいです。
子どもが寝ている間や、遊びに夢中になっている間に1人でお正月の準備をしようとすると、なかなか難しいのですが、巻き込んで一緒にやると、大変だけど案外準備が進んだりするものですよね。
お子さんに正月飾りの意味や種類を説明するのに役立つこちらの記事もおすすめです!
種類や意味、作法を勉強したら、今度は飾る時期ですね。飾る時期や期間についてはこちらの記事をご覧になってください。
お子さんと一緒に新しい年を迎える準備をして、素敵な年を迎えられることを願っています。
最後まで読んでくださりありがとうございました。